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2022.04.11
全館空調はメリット・デメリットを把握して検討を!
全館空調システムでは、建物全体の温度を一括で管理ができます。オフィスビルやホテルなどで多く見られるシステムですが、最近では一般住宅でも取り入れることが少なくありません。そこで今回は、全館空調がどのようなものなのか、基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説します!
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全館空調とは?
全館空調システムとは、建物の中に1つの大型空調設備を設置することで、生活空間全体の空調を一括管理するシステムです。一般的なエアコンでは設置された部屋しか温度を保てませんが、全館空調システムでは各部屋だけでなく、廊下や洗面所、トイレなどの温度も快適な状態に保つことができます。
また、全館空調は近年注目を集めているIoT住宅との相性も良く、連携させることでスマートフォンやAIスピーカーでの操作も可能です。もし、これから注文住宅でIoTの導入をお考えの方は、ぜひ全館空調システムの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
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全館空調を導入するメリット・デメリット
一般家庭でも広がりつつある全館空調ですが、「便利そうだから」という理由で導入すると、思いがけない後悔をしてしまう恐れも……。しっかりとメリット・デメリットをふまえて全館空調の導入を検討しましょう。
▼全館空調を導入するメリット
・住宅内で温度差の少ない快適空間の実現
全館空調では、各部屋はもちろん、キッチン、トイレ、洗面所など家全体の空調を一括で管理し、均一な温度に保ちます。そのため、「部屋は暖かいけど、廊下が寒い」など空間ごとの温度差が少なく、熱中症やヒートショックなど季節ごとの健康リスクを軽減可能です。
・自由でデザイン性の高い住宅設計が可能
全館空調の室内機は屋根裏や床下などに設置することが多く、エアコンと違い室内に露出物がなくなるので、理想通りの空間設計がしやすくなります。そのほか、部屋の広さとエアコンの性能を考える必要がなくなり、吹き抜けなど自由な設計も実現可能です。
・全館空調で換気もできる
全館空調では、温度調節だけでなく換気もできるので、シックハウス症候群など健康リスクの軽減も期待できます。
▼把握しておきたい全館空調のデメリット
・住宅性能と電気代の関係性に注意
全館空調システムの効果を最大限に発揮させるには、住宅が高気密・高断熱であることが重要です。これらの性能が低い場合、快適な温度を保つことができずにシステムの稼働率が増加し、電気代ばかりがかかってしまうことも……。
・部屋ごとの調整が難しい
全館空調は室内全体を同じ温度に保てる一方、部屋ごとに室温を変えることは難しくなります。そのため、暑いのが苦手な人と寒いのが苦手な人が同居している場合、どちらかが我慢を強いられることになり、快適性が損なわれます。ただし、最近では部屋ごとで温度管理ができる全館空調システムもあるため、導入の際は機能を確認してみましょう。
・故障や停電の影響が大きい
部屋ごとにエアコンを設置している家庭の場合、エアコン1台が故障しても他の部屋が影響を受けることはありません。しかし、すべての部屋の温度を一括管理している全館空調では、故障や停電の際は住宅全体に影響が及びます。定期的なメンテナンスや太陽光発電システムの導入などによる、故障や停電リスクに備えることが重要です。
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全館空調で室内全体を快適に!
全館空調を導入すれば、住宅全体を快適な室温に保つことができます。これによって、快適な空間を実現できることはもちろん、健康リスクの軽減も可能です。全館空調は住宅の性能にも影響されるため、リフォームでの導入が難しいこともあります。これから注文住宅を購入するのであれば、快適な空間を実現できる全館空調の導入を検討してみてはいかがでしょうか!