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2022.12.27
住宅性能を左右する「断熱材」の種類と性能について解説!
断熱性の高い住宅は、室内の涼しさや暖かさを逃がさず、過ごしやすい室内環境を保ちます。そのため、快適なマイホーム生活を望むのならば、断熱材選びは重要なポイント! しかし、断熱材には複数の種類があり、素材や特徴はそれぞれ異なります。今回は、住宅によく使われる断熱素材とその性能について詳しく解説します。憧れのマイホームを建てる際に、ぜひ参考にしてください。
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「無機繊維系断熱材」の種類と特徴
ガラスや鉱物などを細かく繊維状にして固めた断熱材です。布団やダウンジャケットのように細かい繊維の中にたくさんの空気を含ませることで断熱性を発揮します。住宅の断熱材としてスタンダードな素材で、グレードによる差はありますが価格も比較的安価になっています。
▼グラスウール
「グラスウール」はガラスを原料とした繊維状の断熱材。資源ゴミをリサイクルして作られることが多く、環境保護にも一役買っており、再生利用も可能です。
また、ガラスからできているため、耐火性・防音性が高く、シロアリなどの被害も受けづらい点がメリット。ただし防湿性が弱く、湿気を含むと重みで断熱材自体がずり落ちてしまうことも。そのため、グラスウールを使う場合は、袋に詰めたり、防湿シートで覆ったりする施工方法が一般的です。
▼ロックウール
ロックウールは、玄武岩などの天然岩石やスラグなどからできた繊維系断熱材です。防音性や耐火性が高く、シロアリ被害を受けづらいなど、グラスウールと似たような特徴を持ちます。
もともと木造住宅の多かった日本ではグラスウールの方が普及していますが、採石場や石造りの建物の多い海外ではロックウールの方が広く使われています。空港などの重要施設に使われることも多く、価格はグラスウールより少し高めです。
なおロックウールは「岩綿」と表記されることもありますが、「石綿(アスベスト)」とはまったく異なる物質で健康被害の心配はありません。
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「木質繊維系断熱材」の種類と特徴
木質繊維系断熱材は、木材由来の繊維を加工して作る断熱材です。繊維の間に多くの空気を保持することで、断熱効果を発揮します。防虫効果や防火性、撥水性を高めるため、添加物を加えて加工されるのが一般的です。
▼セルロースファイバー
新聞や段ボールなどの古紙、おがくずなどをリサイクルして作る断熱材です。天然の木材由来の繊維であり、断熱効果だけでなく、防音性や調湿性にも優れています。
製造過程でホウ酸や難燃剤などを組み合わせるため、耐火性や防虫効果も十分。ただし、施工の際には専門業者に依頼する必要があり、材料費・施工費はやや高くなります。
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「天然素材系断熱材」の種類と特徴
一般住宅に使われることは少ないですが、こだわりのある健康住宅などに使用されていることもあり、近年注目を集めている断熱材です。調湿性の高さが特徴ですが、全体的に高価な傾向にあります。
▼ウールブレス
原料の70%以上を羊毛(ウール)が占める断熱材です。羊毛特有の高い調湿力と耐久性に優れています。ただし、防虫効果は低く、しっかりと防虫処理を施されているウールブレスを選ぶ必要があります。また、熱伝導率は他の断熱材よりも高めです。
ウールブレスの原料となる羊毛は海外輸入に頼っており、ウールブレス自体を取り扱っている国内業者も少ないため、価格はかなり高め。コストパフォーマンスの面では他の断熱材に劣る点がデメリットといえるでしょう。
▼炭化コルク
ワインの栓などのコルク製造の際に出る端材を、炭化して固めた断熱材です。断熱性だけでなく、調湿性や吸音性にも優れています。また、コルクの原料となるカシにはもともと防虫効果があるため、ダニなどの害虫も寄せ付けません。接着剤不使用の炭化コルクも多く、アレルギーが気になる方にもおすすめです。ただしウールブレス同様、コルクも海外産のものがほとんどで、他の断熱材と比べて値段は高めです。
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「発泡プラスチック系断熱材」の種類と特徴
プラスチック素材の中に、無数の気泡を閉じ込めた断熱材です。素材の中の気泡が空気やガスを閉じ込め、断熱効果を発揮します。日本で広く普及している無機繊維系断熱材と比べて、湿気に強いことが特徴です。
▼硬質ウレタンフォーム
ポリウレタン樹脂にハイドロフルオロオレフィンなどの発泡剤を加えて作る断熱材で、外張り断熱によく用いられます。ボード状に成型したもののほかに、壁などに直接吹き付けるタイプもあります。高い断熱性と耐久性を誇りますが、シロアリには弱く、耐火性もそこまで高くはありません。また、燃えると有毒ガスが発生する恐れもあるため注意が必要です。
▼ポリスチレンフォーム
ポリスチレンフォームの断熱材には「ビーズ法」と「押出法」の2種類があります。
ビーズ法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂でできた発泡ビーズをボード状に固めたもの。いわば発泡スチロールです。断熱性だけでなく、加工のしやすさや軽さ、吸水性・吸湿性のなさがメリットです。
押出法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂に発泡剤や難燃剤を混ぜ合わせて、押し出してボード状に成型した断熱材。ビーズ法の断熱材よりも断熱性に優れており安価。さらに、シックハウス症候群の原因にもなるホルムアルデヒドを発生させない点もメリットといえます。
ポリスチレンフォームは、他の断熱材と比べて、耐熱性・耐火性では劣るため、他の断熱材と組み合わせて使うことも検討しましょう。
▼フェノールフォーム
フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えて、ボード状に形成した断熱材です。耐熱性・耐火性に優れ、万が一燃えたとしても有毒物質はほとんど出ません。ただし、他のプラスチック系断熱材と比べて価格は高め。グラスウールの上にフェノールフォームを施す「ダブル断熱」も可能ですが、その分コストはかさみます。
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それぞれの特徴を理解して断熱材選びを!
断熱材は、「無機繊維系」「木質繊維系」「天然素材系」「発泡プラスチック系」の4種類に大別されます。断熱材選びは、マイホーム生活の快適さを左右するといっても過言ではありません。マイホームを建てる際は、土地の気候や土壌に合わせて、最適な断熱材を選びましょう!