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2021.12.07
憧れる方も多い暖炉や薪ストーブ!それぞれの特徴について解説
部屋を暖める暖房器具はさまざまありますが、火を使って暖をとることができる暖炉や薪ストーブに憧れを抱いている方も多いはず。注文住宅を建てるのであれば、これらを取り入れた間取りにするのも難しいことではありません。しかし、暖炉と薪ストーブは似て非なるもの。導入するのであれば、それぞれの違いや特徴をしっかりとおさえておくことが大切です。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリット、設置の際の注意点などについて解説します。
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「暖炉」と「薪ストーブ」それぞれの特徴は?
暖炉の特徴
暖炉は壁と一体化した炉を指し、主にレンガや石材などで作られています。扉などは付いていないことがほとんどで、直接火を楽しめるのが暖炉の特徴であり大きな魅力です。部屋のインテリアとしても大きな役割を果たし、その存在を感じることができます。
薪ストーブの特徴
薪ストーブは据え置き型のストーブで、鋳鉄や鋼板で作られています。暖炉同様に火を使いますが、基本的には扉が付いているため薪の燃える匂いや音はほとんど感じられません。製品によってレトロからモダンまでデザインはさまざまで、部屋の雰囲気や好みに合わせて選ぶことができます。
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暖炉のメリットとデメリット
ここでは一般的な暖炉について、そのメリットとデメリットを紹介します。
暖炉のメリット
・火の魅力を直に感じられる
暖炉の一番の魅力といっても過言ではないのが、薪の匂いや火の揺らめき、パチパチと爆ぜる音を直に楽しめること。また、火に揺らめきには1/fゆらぎと呼ばれる癒し効果があるといわれ、落ち着きの感じられる時間を過ごすことができます。
・直火での調理も可能
薪で火をおこすので、キャンプのように直火での調理が可能です。ソーセージやマシュマロを焼くちょっとしたものから、大きさによっては煮込みやグリル、燻製なども作ることができます。
・インテリア性が高い
エアコンやガスストーブなどの家電と違い、暖炉はインテリア性が高いのも魅力の一つ。暖炉を囲うマントルピース部分を工夫すれば、オシャレな飾り棚のような雰囲気にすることも可能です。また、暖炉は壁と一体になっているため、部屋のスペースを確保しやすいのもメリットといえます。
暖炉のデメリット
・初期費用が高額になりやすい……
暖炉を設置する場合、煙突の設置工事費などを含めて最低でも200万円ほどかかります。暖炉周りの素材やデザインによってさらに高くなることもあり、家電などと比べると決して安い値段ではありません。
・火災や火傷に注意が必要……
住宅内で火を使うことになるので火災や火傷に注意する必要があります。周囲には燃えやすいものを置かない、使用中は柵を設置するなどの対策が必要です。
・部屋全体を暖めにくい……
暖炉は、構造上煙と一緒に熱が煙突から出てしまいます。そのため、室内を暖めるのに時間がかかり、部屋全体を暖めにくい点もデメリットといえるでしょう。
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薪ストーブのメリットとデメリット
ここでは薪ストーブのメリットとデメリットについて紹介します。
薪ストーブのメリット
・直火やストーブトップで調理ができる!
薪ストーブでも暖炉と同様に直火やストーブトップでの調理が可能です。ガスコンロとは違った、火を使った調理や味を楽しめます。
・体をしっかりと温めてくれる!
薪ストーブは、ストーブ本体が温まり熱を放出することで、遠赤外線の力で体を芯から温めてくれます。ただし、薪ストーブには解放式、輻射式、対流式、輻射・対流式など、製品によって温め方が変わるため、それぞれの特徴を理解して製品選びをしましょう。
・住宅への後付けがしやすい!
壁と一体化している暖炉とは違い、薪ストーブは単体の製品なので、比較的後付けがしやすいのもメリットといえます。「新築時にはスペースだけ設けておき、数年後に余裕ができたら設置する」ということも可能です。
薪ストーブのデメリット
・タイプによっては調理ができないものも……
薪ストーブは多くの製品が販売されており特徴もさまざま。そのため、製品のタイプによっては、直火やストーブトップでの調理ができないものがあるため注意しましょう。
・設置する場所によっては邪魔に感じることも……
薪ストーブは壁際だけでなく、部屋の中心にも設置が可能です。しかし、一度設置してしまうと取り外しや移動が難しいため、使う機会のない夏場などには邪魔に感じてしまうことがあるかもしれません。
・住宅の防火措置が必要……
薪ストーブは本体が高温になるため、床や壁などに防火措置が必要なケースがあります。その分導入コストも高くなるため注意が必要です。
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設置をするなら注意しておくべきポイント!
近隣の方たちの理解が得られるか
煙突からは煙や薪が燃えるニオイなどが放出されるため、周囲への影響を考えなければいけません。また、火を使っていることから火災のリスクなどもあり、近隣の方が不安を感じることも……。近隣の方から理解を得ないまま暖炉や薪ストーブを設置してしまうと、後に住民トラブルに発展する恐れもあるため、設置前に近隣の方へ説明し理解を得ることが大切です。
定期的なメンテナンスが必要
暖炉や薪ストーブを使用していると、煙突部分にススやクレオソート(有機タール)が付着します。これらを放置したままにしておくと、煙突の中で火災が発生する原因にもなるため、最低でも年に1回はメンテナンスをしましょう。
使用中は換気をしっかりと!
火を使うので、一酸化炭素や二酸化炭素が発生します。長時間換気をしないまま暖炉や薪ストーブを使用していると、一酸化炭素中毒や二酸化炭素濃度の上昇といったリスクがあるため、1時間に1回程度は換気を行うようにしましょう。
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火が感じられる住まいはいかがでしょうか?
暖炉や薪ストーブは、どちらも火を感じることができる暖房設備です。家電では感じられない魅力が多くありますが、リフォームで取り付けるとなれば手間がかかるもの。もし、これから注文住宅を購入するのであれば、暖炉や薪ストーブを取り入れた設計を検討してみてはいかがでしょうか。